腓骨神経麻痺

足を引きずりながら、よろめきながら来院された女性。

「センセ、突然左膝がカクカクしだして、次の日になったら左足に力が入らなくなったんですよ。てっきり頭が変かと思って脳神経外科に行ったら『それは整形でしょ』って言われるし、それで整形に行ったら腰かもしれないって事でMRIを撮ったりしたんだけど異常がなくて、それで『これは腓骨神経麻痺だね、左側を下にして寝てるでしょ。それでこの出っ張りのとこ(腓骨頭)が圧迫されて神経がマヒしたんでしょう。だからまっすぐ上を向いて寝てください。』って言われたんですよ。体の両側にクッションを置いてまっすぐ上を向くように寝るのはホント大変で。」

「あらら、それは大変でしたね。でも、寝方は関係ないと思いますけどねー。」

「そうなの?でも突然歩けなくなったらビックリですよ。あちこちの病院行くだけでも大変なのよ。」

症状としては神経麻痺ですけど、原因は背骨の隙間の狭さや腓骨頭の圧迫とは言い切れず、坐骨神経の通り道のどこかで圧迫絞扼(圧迫されて締め付けられる)されていることもあります。
背骨の近くにある起立筋の一部である多裂筋、股関節の近くにある外旋六筋、大腿後面にあるハムストリング、腓骨頭周囲、などの筋肉・筋膜組織などに滑走の障害(硬く滑りが悪い状態)があり、その筋肉・筋膜組織と神経組織(腰神経叢、坐骨神経、腓骨神経)の滑走障害が圧迫絞扼となって、神経がマヒすることが起こる場合があります。また、場合によっては痛みを伴う坐骨神経痛として現れる場合もあります。

施術は、神経の走行に関連する箇所で滑走障害を起こしている部分を開き滑らせていきます。剥がすような、擦るような、そのような施術になりますが、時々激痛になることもあります。癒着のようなことが起きていると、熱を持つくらいに深部を擦ることで炎症を起こして組織の再構築を狙うこともあります。その場合には、24時間から48時間くらい炎症による痛みが発生しますが、炎症が落ち着くと新たな組織となり滑らかに滑るようになります。
実際には、その痛みも辛いものなので、複数回の施術で徐々に滑走を取り戻すようにしています。

関連部分の滑走を回復した際の実感は一回の施術で体感できますので、腓骨神経麻痺、坐骨神経痛でお悩みの方はお試しください。

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