【症例】バレエでターンをするときにふらつく

症例 バレエでターンをするときにふらつく
主訴をよく訊いてみると
ターンの時にふらつくことがある。
脚を持ち上げたときに内側寄りになる。
脚を持ち上げた時、持ち上げた脚の付け根が痛むことがある。
以前訴えていた、腰を反らし難いというのは改善されたとのこと。
実際の動きを確認します。
左脚を軸にして右脚を持ち上げると右に倒れそうになり、
それを防ごうと体を左に倒す状態が観察されます。
右脚を持ち上げると前方ではなく膝が内側に入ってきます。
また、骨盤がスムーズに動いていません。
腰(腰椎)自体の後ろへの反らし具合は改善されてますが、
脚を後方へ持ち上げる動作が窮屈そうです。
以上のことから施術の方向は
左の中殿筋に不具合があり、
筋肉の活動が低下して骨盤を支える力が発揮できないので、
中殿筋が働けるようにする。
右足の内転筋(モモの内側の筋肉)の短縮または過活動と骨盤底筋の短縮、
骨盤帯(恥骨結合)の機能異常があるので、
筋肉の正常化と骨盤帯の動きの改善をする。
ハムストリングスの短縮による両方の骨盤帯(寛骨)が後方回旋していることと、
骨盤の前側にある腸腰筋の緊張短縮があるので、
ハムストリングスと腸腰筋の正常化と両方の寛骨の動きを正常化させる。
骨盤帯の機能異常で運動制限が起こり、
その時々の無理な筋肉の活動(オーバー・ユース)を原因として
鼠径(モモ前側の付け根)周辺に痛みを起こしていたので、
骨盤体の滑らかな動きを取り戻して無理をしなくても目的の動作が行なえるようにする。
とします。
まずは、中殿筋の疲労と緊張を取り除き、正常に活動できるようにします。
次に、ハムストリングス、大内転筋と骨盤底筋、腸腰筋の異常な緊張を取り除き、
正常な筋肉の長さを取り戻します。
(トリガーポイント療法やポジショナル・リリース、ストレッチなど)
最後に骨盤各部の正常な動きを取り戻します。
(マッスル・エナジー・テクニックなど)
施術終了時に、脚を上げた時のふらつきが消えて
前後にスムーズに脚が上がるのを確認します。
最後に、問題を起こしていた筋肉への
セルフ・マッサージ方法やストレッチ方法などを説明して終了となりました。