クセ

「センセ、癖ってなかなか直りませんよね。」
「そうですねぇ。直すのに結構努力が必要ですよね。」
「姿勢とかも癖になるんでしょうか?」
「まあ、そういう時には悪い姿勢の事を言ってるのでしょうから、そういう事でしょうね。
悪い癖が重なって、姿勢が悪い形に固定されちゃってるって事ですかねぇ。」
「癖だから直らないんでしょうね?」
「いやいや、そういう風に考えると絶対に直らないでしょうね。」
「だってね、癖なんですから。。。」
「でもね、悪い癖を付けたのは自分自身なんですよ。
だったら今度は良い癖を付ければ良いって事じゃないですか?」
「だって癖ですから。。。」
「うん、そうですね。
単純に癖を直しなさいって事にもなりませんよね。
もう既に悪い姿勢が出来上がってると考えると、良い姿勢にしようとするとかなり無理が掛る。」
「ほらやっぱり無理なんだ。」
「いやいや、そうじゃなくって、まずは良い姿勢を作りやすい身体の状態にする事。
つまりは、良い姿勢を作れるだけの筋肉や骨格の柔軟性を作ってあげる事ですね。」
「でも簡単には出来ないんでしょ?」
「ええ、簡単じゃないですよね。
まずは、この根雪のように硬くなってしまった筋肉を柔軟なものに作り替えて、
楽に姿勢を作れるようにしなくっちゃいけませんよね。
そうした上で、良い姿勢の癖を付けていく。」
「根雪の様な。。。ですか。。。」
「そうそう、根雪を融かすってとこですかね。
筋肉も生きてるんで、新しい細胞に生まれ変わって柔らかくなるんですよ。
施術によって筋肉の中の環境を良くしてあげて、必要な時間を掛けながら生まれ変わらせるんですけどね。」
「根気が必要なんですね。」
「さんざん悪い癖を積み重ねてきたんですから、今すぐ簡単にとはいきませんよね。」
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悪い姿勢を続けることで、本来の筋肉・骨格系の位置関係がズレる。
関係する筋肉が柔軟性を無くして縮んで固まったり、虚弱して伸びきったりしてしまいます。
やがて骨格を引っ張り戻れなくなり、悪い姿勢として固定されてしまう。
関連する筋肉がガチガチの根雪の様に固まっていなければ、比較的早期に柔軟性が回復できます。
しかし、ガチガチに固まってしまうと数ヶ月程度の時間をかけながら柔軟な筋肉に戻れるようにして、
ある程度柔軟性が回復出来てきてから、良い姿勢を作っていくようになります。
どこかの関節をボキボキさせたり、グイグイ強い力を加えても姿勢は戻りません。
ある程度柔軟な筋肉の状態を取り戻し、それから良い姿勢を練習しなければ戻すことは出来ません。
※柔軟性のある筋肉の場合、いわゆる骨格矯正をすると関連する筋肉がストレッチされ姿勢を作りやすくなったりする場合もあります。その後、良い姿勢の練習を重ねる事で改善できる可能性もあります。