筋肉が無い

「ワタシ、この通り筋肉が無いでしょ。だから首が痛くなったり、腰が痛くなったりするんですよ。」
「そうですか…。でも、それは誰かが言ったんですか?」
「いや、よく本とかに書いてるんじゃないですか。あっ、だいぶ前に腰が痛くて整形に行ったとき、『腹筋が無いからだ』みたいなこと言われましたよ。」
「あぁ、よく前後の筋力のバランスが悪いとか言ってるようですよね。」
「そうそう。だから自分も腹筋が無いし、きっとバランスが悪くってアチコチ痛くなるのかな、なんて。」
「まあ、そういう言い方される場合も多いみたいですよね。でもね、地球には重力があって、私たちは常に、地面の方に引っ張られる力と戦っているんですよね。これって筋トレと同じなんですよね。ただし、寝たきりではダメですよ。立って動いている最中は常に筋肉に負荷が掛かっていて、自然と運動療法している状態なんですよね。それで、日常生活に必要な筋力は養われているんですよね。」
「でもね、ワタシ腹筋1回も出来ませんけど…。」
「うん、それはですね。筋肉の一部が傷ついて筋力を出せない状態だからですよ。例えば、大きな怪我したら身体に力が入らないでしょ。筋肉のごく小さなところでもそんなことが起こってて、筋肉が力を出せなくなってるんですよね。さらに、痛みを出す元が出来ちゃうと、関連する部分、例えば腰やお腹に痛みが出ちゃうんですよ。」
「えっ!?腹筋が傷ついて、腰が痛くなるんですか?」
「そうそう、すごく多いんですよ。デスクワークとかで座りっぱなしになるでしょ。すると縮みっぱなしになった腹筋が傷つくんですよ。そして腰がムズムズしたり痛くなったりするんですよね。」
「そうか…、やっぱり腹筋運動して鍛えなきゃダメなんですね…。」
「いやいや。だから、傷ついて正常の力が出せないんだから、腹筋のケアをしなきゃダメなんですよ。傷ついた部分を修復させて、ちゃんと腹筋が働けるようになったら痛みも出ないし、筋力も戻るんですよ。」
「あっ、そうか。傷ついてるんだから、傷を治さなきゃダメなのね。」
「そうそう。適切な施術やセルフメンテナンスで、傷ついて治りきれなくなってる部分に働きかかけて、修復がスムーズに進む環境にしてあげる。あとは、あなた自身の治れる力が修復を進めて治っていくんですよ。筋肉が無くて痛みが出るんじゃなくて、傷ついた部分が治れなくて痛みを出しているんだから、その部分を治してあげれば良いんですよ。」

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