忘れられた症状

「白幡先生御侍史」という文書を頂戴し、本人が来院して7週間ほど経つ。
10年ほど前にムチ打ち症となり、その後遺症として「グウッ」っと引っ張られるような「眩暈(めまい)」と「フワフワ」と浮いているような感覚、それと「耳鳴り」がある。
今は落ち着いているが、異常な眩しさ(ドライ・アイ)もあったようだ。
これらは、背中や首から頭、顔の筋肉が硬変しているために出ている症状である。
他の全身症状として、脚の痛みと熱感、腰痛、腕の痛みと焼け爛れたような異常感覚などがあったが、これは筋肉に出来たトリガーポイント(筋・筋膜性疼痛)の活動によるものである。
週2回各1時間ほどの施術と、毎日2時間ほどのセルフマッサージやストレッチを重ね、「眩暈」と「耳鳴り」以外の症状は落ち着いている。
===============================================================
「体調はどうですか?」
「ん~、特に変わりありませんね。」
「引っ張れるような眩暈はまだある?」
「ん~、ありますね。」
     ・
     ・
     ・
「そういえば腰痛とかって、あるんだっけ?」
「え?あぁ~、そういえば腰痛ありましたよね。すっかり忘れてた。」
「腕が痛いのは?症状出る?」
「あぁ~、ありましたよね。服が触れただけで焼けるようなタダレルような感覚ってあったんですよね。でも今は気になってませんわ。」
「じゃあ今は、眩暈と耳鳴りだけかな?」
「そうみたいですね。気にならなくなったら自然と忘れちゃったんですね。体調変わってないと思ってけど、変わってきてたんですね。」
筋肉が疲労を続けて組織が変性し、トリガーポイントが出来上がり、そのことで出ていた症状は治まったようです。
残るは硬変した病気の筋肉の再生ですね。
==============================================================
のど元過ぎれば熱さ忘れる。
こんな言葉もありますが、あれほど気になっていた症状がいつの間にか消えても、消えたことさえ気が付かない。
脳は筋肉の正常度合いを感知出来ません。
だから気が付かない。
=============================================================
痛みや疲労感など、実際の症状を感じていなくても、筋肉は疲労しています。
それはアナタが感じている以上のものかもしれません。
酷い症状が出る前に、自分の身体の声を聞き、早め早めに解消しておく。
気が付いたときは、症状が出たときですからね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です