自然治癒力を治療する

平成24年に「自然治癒力を治療する医術-結合組織の基質を水和する医術」と題された書籍が発刊されました。
おもな内容は、結合組織の基質に存在する高分子化合物としての水が自然治癒力の源になっているということから、その基質の水が抜けた状態が病気の根本原因になるということ、さらには治療術として水の抜けた基質を水和する医術を著しています。
ざっくりいうと、カラダのすべてのモノを覆いながら結び付けている筋膜構造から水が抜けると自然治癒力が減退して病気になり、水を呼び戻すと自然治癒力が発揮されるようになり治るということです。
医師が書かれた内容なので、注射を用いて治療する医術となっています。
この事を我々手技療法家が行うと、いわゆる筋膜リリースなどを用いて水の抜けた組織に水が通るようにするということになり、それは自然治癒力を治療するということになるかと思います。

運動や長引く姿勢による筋肉・筋膜組織の疲労、疲労による損傷、筋膜間の脱水により筋膜が近接する高密度化と、さらに進んだ筋膜の癒着などが、組織の異常な緊張と代謝異常を起こし、様々な症状を表すようになり、そこに組織変化が起これば病気になります。
組織の異常な緊張を解消し、滑らかさを失った組織の滑走性を回復させ、水の循環が戻れば組織が栄養され代謝が正常化し、老廃物が速やかに排出されると同時に深部で発生する代謝熱も排熱され、異常な組織を免疫が処理し、組織が正常化に向かう自然治癒力が復活します。
自然治癒力が復活すれば、やがて病気から抜け出し、正常へと向かえることになります。
つまり、「自然治癒力を治療する」ということになるでしょうか。